どういうグループ?

このグループの目的は、
北区の小・中学校に通う「日本語を母語としない子ども」たちのために、
学習支援」と「居場所づくり」を行うことです。

「日本語を母語としない子ども」とは?

日本語を母語としない子ども」とは、母語が日本語以外の言語である子どものことです。

例えば、この教室には、母語が「中国語」「ベンガル語」「ミャンマー語」「タガログ語」「ベトナム語」の子どもたちが通っています。

彼らはときに、「外国人の子ども」「外国人児童・生徒」、「外国につながる子ども」などとも呼ばれます。ただ、このボランティアでは、「母語が日本語ではない」という点に注目し、「日本語を母語としない子ども」という呼び名を使っています。

統計によると、東京都北区の人口の約6.3%、21,923人が外国人です(2018月年9月)。北区に住む「日本語を母語としない子ども」の数は、年々増えています。

なぜ「学習支援」が必要なのか?

「日本語を母語としない子ども」に学習支援をする理由は、「彼らが学校の勉強についていけなくなることが多い」ためです。

日本語を学んでいる子どもたちは、日常言語(ふだんの会話で使う言葉)は比較的早く身につけますが、学習言語(学校の授業などで使われる言葉)を習得するには長い期間を必要とします。彼らの多くは、学習言語がまだ身についていない状況で学校の授業を受けているため、勉強で苦戦しています。

特に、彼らにとって大きな壁となるのが、「高校進学」です。子どもたちの中には、勉強に苦手意識を感じて、高校進学を諦めてしまったり、選択肢がなく定時制高校に通ったりする生徒がいます。

このような現状を受けて、このボランティアでは、日本語を母語としない子どもたちの勉強をサポートしています。例えば、学校の宿題を手伝ったり、苦手な教科の勉強を教えています。

なぜ「居場所づくり」が必要なのか?

日本語を母語としない子どもたちは、学校で孤立することが多いです。日本語がまだ充分に話せないので、クラスメイトとうまく意思疎通ができないからです。

子どもたちの中には、クラスで一人も友だちがいなかったり、学校では一言も話さないという子がいます。また、クラスメイトに名前をからかわれたり、いじめを受ける子もいます。本来であれば楽しい思い出となるはずの小・中学校の生活を、孤独の中で過ごしている子どもたちがいるのです。

この教室は、そうした子どもにとって「居心地のよい場所」でありたいと思っています。彼らが周りに遠慮することなく母語で自由に話すことができ、そして、自分と同じ境遇の子どもとつながれるような空間を目指しています。

グループの歴史

 この教室は始まったのは2015年。北区の小・中学校の「日本語を母語としない子ども」に声をかけて参加してもらいました。

 これまでの参加人数(のべ人数)は以下です。教室は1年間に40〜45回ほど開催しています。

 2015年 子ども372人、ボランティア469人
 2016年 子ども681人、ボランティア519人
 2017年 子ども970人(小学生538人・中学生432人)、ボランティア578人
 2018年 子ども961人(小学生394人・中学生567人)、ボランティア624人
 2019年 子ども623人(小学生237人・中学生386人)、ボランティア648人
 2020年 子ども532人(小学生291人・中学生241人)、ボランティア550人
 2021年 子ども710人(小学生362人・中学生348人)、ボランティア699人
 2022年 子ども642人(小学生244人・中学生383人)、ボランティア641人